●R.シュトラウス 交響詩 「英雄の生涯」〜2題
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1985年 2月
DG POCG-20011
解説カード表紙:ディーター・シュライフェンバウム撮影
フリッツ・ライナー指揮
シカゴ交響楽団
録音:1954年 3月 6日
RCA VICTOR 09026-61494-2
Cover:Robert M Jones
恥ずかしながら私はカラヤンに偏見がある。今思うと初対面があまり良くなかっと思う・・・・
私がクラシック音楽に興味をもち始めた頃はクラシック音楽=カラヤン(今でもそうか?)と言うほど有
名であり絶大な人気を誇っていた。初めてカラヤンのレコードを聴いたのはチャイコフスキーの「悲愴」
EMI盤であった。クラシック界で絶大な人気を誇るカラヤンのレコードを聴けば身も心もメロメロになる
ほど感動するに違いない!
今から思えばとんでもない過剰な期待をもってレコード聴いた・・・・結果はごく普通の「悲愴」であり大し
た満足感も得られず,私は大きく落胆した。
そんな頃、宇野功芳氏のカラヤン批判を読んでしまったのある!
だからと言って私は「宇野氏が悪い」と言うつもりはない。彼の文章をどう受け取るか?無視するか?
賛同するか?は宇野氏が決めるとこでなく,私が決めることなのだから・・・・
話は元に戻して、そもそも偏見は好ましいことではない。と言ってもカラヤンのCDは膨大にありメジャー
・レーベルの物であれば廃盤の憂き目にあうこともほとんどない。そんな訳で気になりつつも購入が後回
しになっていた。
さて今回、購入したCDはアンチ・カラヤン派の方でもR.シュトラウスはすばらしいとの意見があるので
「英雄の生涯」を選んでみた85年録音のDG盤である。
結果はカラヤンに対する偏見を払拭するには至らなかった。
「英雄の生涯」の聴きどころは何と言っても「英雄の戦い」でしょう。大オーケストラを使った大スペクタル
は豪華絢爛でこれでもかッ!と言った、てんこ盛りの華々しさである。
カラヤンなら華々しく颯爽と演奏すると思ったのですが・・・・テンポはあまり速くなし,オケの響きも抑制
した感じです。しかもテンポやオケを抑制することによって響きに余裕が生まれるとか,渋い味わいが滲
み出るといったプラスの効果は感じられず,なんとも中途半端な演奏というのが素直な感想です。
ただし「英雄の業績」「英雄の引退と完成」における雄弁な語り口,しみじみした味わいはすばらしいと
思った。
私がこう感じるのはライナー/シカゴ響盤(RCA)の影響かもしれない。
キリリと引き締まったサウンドは緊張感と勢いがあり、颯爽とした「英雄の生涯」を聴かせる。
冒頭の「英雄」は華々しく深々とした拡がりがあり「英雄の敵」での遊戯的,戯画的表現も心憎い。聴き
どころの「英雄の戦場」ではスピード感と緊張感がたまらない。ブラス・セッションの迫力は怒濤の勢いで
ある。「英雄の業績」と「英雄の完成と引退」では過去を振り返るように丁寧に奏でられ,決めどころの雄
弁さも決まっている。
ライナー盤を聴くとカラヤン盤は軟弱な演奏に聴こえてしまう。
私はカラヤンとは縁がないのだろうか???